岡山のロードバイク・サイクルウェア専門店
初心者向け

輪行の始め方|必要なもの・電車のルール・実際の手順まとめ

cycleZ

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2026年02月28日

輪行を知っていれば、あの親子は最初から笑顔だった

春休みのある日、親子2人がcycleZに来てくれました。

お父さんはSURLYのロードバイク、息子さんはライトウェイのクロスバイク。2台とも、砂埃と汗の跡がしっかり残っている。聞けば、大阪から岡山まで自走で来たとのこと。

しまなみ海道まで行く計画だったけど、3日目で力尽きた。「帰りどうしよう」というのが来店の理由でした。

輪行袋の存在自体を知らなかったので、実物を見せながら説明しました。前輪の外し方、袋への入れ方、新幹線への持ち込み方。お父さんの表情が変わった。「え、これだけ?」。

そこから話が広がった。「次は電車でしまなみまで行って、海沿いだけ走るのもいいですね」。

輪行を知っているかどうかで、自転車の旅はまったく変わります。 この記事では、輪行の始め方を一通りまとめます。

しまなみ海道の橋と瀬戸内海の夕景
しまなみ海道の橋と瀬戸内海の夕景

輪行で何が変わるのか

行動範囲が一気に広がる

自転車だけだと、自宅から走って帰ってくる「往復ライド」になります。輪行ができると選択肢がまったく変わる。

電車で目的地の近くまで行って、走りたい場所だけ走る。帰りも電車。全行程を自走する必要はない

「帰り」の保険になる

初心者の方に特に伝えたいのがこれ。

遠くまで走って「足が限界、もう帰れない」となったとき、最寄り駅から電車で帰れます。輪行袋をサドルバッグに入れておくだけで、心の余裕がまったく違う。

片道だけ走る、という楽しみ方

往復する必要がないので、片道だけ走ることができます。

追い風の日に、風に乗って片道30km。帰りは電車。こんな走り方も輪行ならでは。

電車に持ち込むルール

基本ルール(JR共通)

専用の袋(輪行袋)に完全に収納すること

長さ2m以内、重さ30kg以内(一般的なロードバイクなら余裕でクリア)

無料で持ち込み可能(自転車はスポーツ用品扱い。追加料金なし)

輪行袋に入っていれば、特別な手続きは不要

新幹線の場合:「特大荷物スペースつき座席」を予約する

ここが実務上の大事なポイントです。

持ち込み自体は無料ですが、置き場所を確保するには「特大荷物スペースつき座席」の予約が必要です。各車両の最後部座席の後ろにあるスペースで、座席とセットで予約します。

予約方法
内容:スマートEX、みどりの窓口、指定席券売機
追加料金
内容:なし(通常の指定席料金と同額)
対象路線
内容:東海道・山陽・九州新幹線
予約開始
内容:乗車日の1ヶ月前

予約なしで最後部スペースに荷物を置くと、乗務員から声をかけられることがあります。自転車の持ち込み自体は問題ありませんが、スペースの確保は保証されません。事前予約を強くおすすめします。

私鉄・地方路線

基本的にJRと同じルールですが、路線によって細かい違いがある場合も。事前に各鉄道会社のサイトで確認しておくと安心です。

岡山駅での動線

岡山駅の新幹線ホームにはエレベーターがあります。輪行袋を担いでエスカレーターを使うのは危険なので、エレベーターを使ってください

16両編成:エレベーターは11号車付近

8両編成:エレベーターは7号車付近

特大荷物スペースつき座席を予約するとき、エレベーターに近い号車を選ぶと移動がスムーズです。

輪行に必要なもの

1. 輪行袋(必須)

cycleZで取り扱っている輪行袋。畳むとこのサイズに収まる
cycleZで取り扱っている輪行袋。畳むとこのサイズに収まる

これだけあれば輪行できます。cycleZでは2つのタイプを取り扱っています。

cycleZオリジナル輪行袋(前輪外しタイプ)

前輪だけ外して袋に入れるタイプ。作業が少なく、慣れれば5分もかかりません。重量わずか260gで、畳むとサイクルウェアの後ろポケットに入るコンパクト設計。走行中に持ち運んでも負担になりません。初めて輪行する方にはこちらをおすすめしています。

MARUTO 輪行袋(前後輪外しタイプ)

前輪と後輪の両方を外すタイプ。袋に入れたときのサイズがコンパクトになるので、車体が大きいバイク新幹線の車内でなるべく場所を取りたくない方に向いています。前後輪を外す分、作業の手間は増えますが、そのぶん収納サイズは明確に小さくなる。

タイプ
cycleZオリジナル:前輪外し
MARUTO:前後輪外し
作業時間の目安
cycleZオリジナル:約3〜5分
MARUTO:約10〜15分
収納サイズ
cycleZオリジナル:やや大きい
MARUTO:コンパクト
おすすめ
cycleZオリジナル:初心者・手軽さ重視
MARUTO:大きい車体・省スペース重視
エンド金具
cycleZオリジナル:不要
MARUTO:必要

どちらを選ぶか迷ったら、まずcycleZオリジナル(前輪外し)で始めるのがおすすめです。輪行に慣れてきて「もう少しコンパクトにしたい」と感じたら、MARUTOに乗り換える方も多いです。

店頭で両方お見せできます。実際に自分のバイクで試せますので、気軽に聞いてください。

2. エンド金具(前後輪外しタイプの場合は必要)

後輪の横にある変速機を守るための金具。自転車を逆さにしたとき、地面にぶつかりやすい部品なので、MARUTOの輪行袋を使う場合はこれが必要です。前輪外しタイプなら不要。価格は1,000〜2,000円程度。

3. あると便利なもの

軍手:チェーンの油で手が汚れるのを防ぐ。100円均一のもので十分

フレーム保護材:袋の中でフレームとホイールが接触する。タオルでも代用可能

ウエットティッシュ:手の汚れ落とし。コンビニで買える

輪行の手順(前輪外しタイプ)

駅に着いてからやること

1

ブレーキを開放する(タイヤを外しやすくするため)

2

前輪のクイックリリースレバーを開く(スルーアクスルの場合はレバーを回す)

3

前輪を引き抜く

4

ハンドルを90度曲げる(袋に入れやすくするため)

5

輪行袋を広げて、自転車を入れる

6

外した前輪を袋の中でフレームに固定する(付属のストラップで)

7

袋の口を閉じる

8

はみ出しがないか確認

慣れれば5分。最初は15分くらいかかっても焦らなくて大丈夫です。

目的地に着いてからやること

上の逆をやるだけ。こちらも5〜10分。

注意:走り出す前にブレーキの開放を戻すのを忘れないこと。よくあるミスです。ブレーキが効くか必ず確認してから走り出してください。

よくある不安と、正直な答え

「自転車に傷がつかない?」

正直に言うと、多少の擦り傷は覚悟した方がいいです。袋の中で揺れるので、フレームとホイールが接触することがあります。

気になる方は、フレームの保護シートを貼っておくか、袋の中でタオルを挟んでおく方法があります。「絶対に傷つけたくない」という方には、輪行はあまり向いていないかもしれません。

「重くないですか?」

ロードバイクなら8〜10kg程度。袋に入れて肩にかけると、最初は「重い」と感じると思います。

ただ、駅構内を歩く距離は数百メートル。電車に乗ってしまえば置くだけ。「重いのは駅の中だけ」と割り切れば、許容範囲です。

「組み立てに失敗したらどうしよう」

前輪を外しただけなので、前輪を戻すだけです。失敗しようがない。

最初は家で2〜3回練習しておくと安心です。

輪行と相性がいいバイク

「輪行しやすい自転車」には特徴があります。

軽さ:担いで歩く時間があるので、軽い方がいい。カーボンやクロモリのロードバイクは8〜10kg程度。アルミのクロスバイクは10〜12kg程度。

ホイールの外しやすさ:クイックリリースやスルーアクスルなら、工具なしで数十秒でホイールが外せます。

cycleZで取り扱っているバイクの中から、輪行に向いているモデルを紹介します。

SURLY Disc Trucker — ツーリングの定番

SURLY Disc Trucker 700c
SURLY Disc Trucker 700c

クロモリフレームにディスクブレーキ、Shimano CUES 10速。ラックやフェンダーの取り付けに対応していて、荷物を積んだ長距離ツーリングに強い。

Long Haul Truckerの後継モデルで、世界中のツーリストに愛されてきた設計思想を受け継いでいます。「輪行+自走」を組み合わせた旅をするなら、頼れる一台。

SURLY Straggler — 舗装路もグラベルも走れる

SURLY Straggler
SURLY Straggler

クロモリフレームにドロップバー、油圧ディスクブレーキ。タイヤクリアランスが50mmあるので、舗装路だけでなく未舗装の道も走れます。

舗装されたサイクリングロードから田舎の未舗装路まで、路面を選ばない万能さが魅力。650bと700cの両方に対応。

GIOS AMPIO — 街乗り+輪行の入門に

フラットバーのクロモリバイクなので、ドロップハンドルに慣れていない方でも扱いやすい。重量も軽く、輪行時の取り回しも楽です。

通勤・通学で毎日乗りつつ、週末は輪行で遠出。そういう使い分けをしたい方に向いています。

暗黙のマナー:周りへの配慮

ルールには書かれていないけれど、知っておいた方がいいこと。

混雑する時間帯を避ける:土日の朝か、平日の日中がベスト。通勤ラッシュに大きな袋を持ち込むのは避ける

車両の端に置く:ドア付近か車両の一番端。通路を塞がないように

袋が倒れないように支える:自分の体か壁で固定する

先頭車両か最後尾車両:比較的空いていることが多い

正直に言うと、輪行は周りの方への配慮が必須です。「自転車乗りのマナーが悪い」と思われると、将来的に持ち込みルール自体が厳しくなる可能性がある。自分だけの問題ではありません。

岡山からどこへ行く?

輪行ができるようになると、岡山を拠点にした日帰りサイクリングの選択肢が一気に広がります。

しまなみ海道:尾道から今治まで約70km。サイクリストなら一度は走りたいルート

高松うどんライド:マリンライナーで高松へ。平坦な市内をうどん屋巡り

蒜山高原:夏の高原を涼しい風の中で走る

各ルートの詳しい走り方・所要時間・費用は、別記事で紹介していきます。

まずは一度、目の前で見てほしい

輪行は、文章で読むと工程が多くて難しそうに見えます。でも実際に目の前で見ると「あ、これだけか」となる。冒頭の親子のお父さんも、そうでした。

cycleZでは輪行の実演をしています。前輪の外し方、袋への入れ方、電車での置き方。15分もあれば全部見せられます。

「自分にもできそうだな」と思ってもらえたら、それだけで十分です。

タグ

#輪行#初心者#ロードバイク#サイクリング#新幹線

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